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科研費若手の審査区分の選び方はどうすればいいのか?

科研費

こんにちは、凡才博士です。私自身も科研費の若手に向けて申請書類を作成中の身です。いざ科研費申請システムにて書類を作り上げていこうとしていた所、審査区分の選び方について悩む場面がありました。

科研費の通し方については、百戦錬磨の偉い先生たちがまとめているかと思いますので、今回は審査区分の選び方について、学んだことをご紹介します。若手は同じ壁にぶつかるかと思いますので、参考にしていただければと思います。学振も選び方については同様の作業を行うかと思いますので、困ったら見てみてください。

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科研費の審査区分(応募分野)とは?

皆さんご存知かと思いますが、科研費(学振も)は自分の研究分野を自由に選ぶことが出来ます。特に若手研究者に関しては、応募先を306個もある「小区分」の中から決めなければなりません。「小区分・中区分・大区分」と紛らわしい言い回しになっていますが、大区分(化学)>中区分(物理化学)>小区分(基礎物理化学)みたいな形で、小さくなればなるほど分野が限定的になってきます。

以下に区分表の例を示しておきますが、詳しくは科研費の審査区分表に一通り目を通すことをお勧めいたします。

科研費の区分表一例

若手の場合は306個の小区分の中から一つだけ、一番自分の研究案が通りそうな区分を選択せねばなりません。この選択方法が中々難しいのです。何故かというと、小区分の中でも研究テーマにいくつかの小区分を当てはめられることが出来て迷ってしまうのです。

例えば「高分子化学」と「高分子材料」の違いって何ですかね?高分子の基礎を研究するのが高分子化学でしょうか?それでもある材料開発の研究であれば高分子材料になるのか?いやいや、高分子と言えどもこれは「有機合成化学」でしょう!

このように、実は現在自分が行っている研究分野は多面性を持っているため、科研費の研究分野に簡単に当てはめる事が出来ないのです。本当は複数の分野に応募したいor中区分くらいの規模で応募したい所ですが、そうはいきません。

しかも、分野違いの所に申請してしまいますと、内容が違い過ぎて評価してもらえない可能性があります。またドンピシャの研究分野に応募しても、偉い研究者が申請書を見る訳ですので、逆に専門的過ぎて落ちてしまうといった話も聞きます。

また、同じ分野で同じような研究提案ですと倍率が高く通りにくいといった話や、意外と他分野に出した方が新しくて通った!といった話も聞きます。こういった話もあるので、本当にどの区分で応募するか悩みますよね。

そんな同じような悩みを持っている若手研究者には、以下の2つの選び方を参考にしていただければと思います。私自身も今回の申請では同様の手法を用いて、応募分野を決定しました。いまいち決めかねているという方は2つの方法で、自分の研究分野を自信をもって決めて行けるようになればと思います。

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手法①:審査委員名簿から知っている先生を探す

科研費の審査をする人間も同じ研究者です。実際にはどこかの有名な先生がボランティアで審査を行ってくれています。科研費の審査を担当する先生たちの名簿は、日本学術振興会によって公開されています。

審査委員名簿|科学研究費助成事業(科研費)|日本学術振興会
日本学術振興会の科研費に関するページです。

この名簿より自分が応募する小区分の審査員がだれか分かります。自分の出そうと思っている小区分の評価委委員をチェックしてみてください。

もし、自分の研究分野の事が良くわかっている場合は、この小区分の先生の内一人くらいは知っている先生がいるはずです。あくまでの向こうが知っているわけではなく、名前が知っている程度であれば十分だという事です。

これまでの参考文献で使った事のある先生だったり、学会で見たことがある先生が審査員でしたら、その区分が自分が出す適切な区分であることが分かります。その先生が審査員という事は、自分の研究分野にぴったりであり、内容が良ければ適切に評価を付けてくれることは間違いないかと思います。

もし、名前を何となく聞いたことがある程度でしたら、Googleでその先生たちの研究分野を調べてみましょう。科研費の審査を行うほどの大先生であれば、これまでの業績や自身のHPを持っている可能性がかなり高いです。

先生の研究分野を見極めて、自分が出そうとしている研究とある程度同じような研究を行っている場合は、適切な区分を選んでいると思われます。委員の先生を全員調べて2人ほど同様の研究分野で活躍されている先生であれば、正当に評価してくれる可能性が高いです。(人間として同じ研究分野の若手研究者は応援したくなるものですよね。)

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手法②:KAKENで過去の実績を調べる

手法①は同じ研究分野の先生を調べる事によって区分を明確にしようといった試みでしたが、この手法②は実際に過去の実績から自分の研究分野を正しく認識できているか検証していく手法です。

皆さん、研究者を探すうえで一度は科研費のデータベースである「KAKEN」を見たことがあるかと思います。このデータベースを活用する事で、どの区分に出すか明確にすることが出来ます。大して難しくないので、以下の簡単なステップで過去に採用された科研費のテーマを見てみましょう!

①フリーワードに気になる小区分の番号を入力

最初のステップは、気になる小区分の番号をそのままコピペして、検索BOXにコピーします。そして検索を押すだけで、これまでにこの区分で採用された科研費のテーマ一覧が出てきます。

今回は例として高分子化学関連(35010)を元に進めていきたいと思います。

②若手研究にチェックを入れてテーマを絞る

検索すると以下のような画面になります。これまでに171件の研究テーマがこの小区分で合格?しているようです。これが、この小区分で科研費を貰えた猛者たちのテーマになります。

この画面ですと、171件と若手以外の他のテーマも含まれていますので、若手研究だけに絞り込みを行いましょう。左側の「絞り込み」に若手研究にチェックを入れる事が出来ますので、ここを押すだけで絞り込むことが出来ます。

研究種目だけでなく「キーワード」で絞り込むこともできます。このキーワードも自分の出そうとしている区分を見極めるのに使えますね。上位のキーワードを見てみると、どのようなキーワードの研究がこの区分で科研費を貰っているのかが分かります。もしこのキーワードに全く見当が無い場合は、そもそも区分がずれている可能性があるかと思いますので、別の区分で再検索してみましょう。

③若手研究で採用されたテーマと概要を見て似ている研究が無いか探す

若手研究にチェックを入れた後は一つ一つ研究テーマと概要をチェックしていきましょう!大体研究テーマだけ見れば、どのような内容の研究か分かるはずです。すでに適切な区分を選択できているようであれば、テーマだけ見て研究内容が何となくわかってきます。逆にテーマを見ても全く分からないようであれば、別の区分で確かめてみましょう!

テーマ全体の流れを見るのと同時に、自分と似たようなテーマが無いかもよく探します。こちらは研究の概要を見れば何となくコンセプトが似ているとか分かるようになります。この区分で自分が考えている研究と同じようなテーマがある場合は、選んだ区分は間違いが無いという事になります。

既に同様のテーマがあるため、審査委員は正しく評価してくれるはずです。(ただし全く同じ研究ない世であれば逆に難しくなっていしまうのは事実です。)似たようなテーマがある場合はそのタイトルにも注目したい所ですよね。より自分の方がアピールできるタイトルを新しく考えてみましょう。

ここまで徹底的に調べれば、どの区分において現在の自分の研究が評価され、どの区分が通りやすいかかなり明確になっているはずです。これで全く見当違いの区分に出して、正当に評価されずに撃沈するという事はかなり少なくなると思います。

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終わりに

科研費の申請については偉い先生たちが書き方についての多くの本を出版しています。そんな中で、この区分の選び方については中々良い方法がないなぁと思い、今回の記事を書かせて頂きました。今回ご紹介した方法が100%あっているわけではないのですが、私なりには今回の区分の決定方法で結構迷いなく決める事が出来ました。もし迷っていて他に方法が見つからない場合は、今回の手法を取り入れていただければと思います。またもっと良い方法があるという方はコメントに皆様にご紹介いただけると幸いです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。何か皆さんの参考になれば幸いです。

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