奨学金をわざと借りて資産運用(つみたてNISA)のすゝめ

お金

こんにちは、凡才博士です。今回もなるべく大学院生がお金に困らない生活を過ごすためのアイディアをお伝えしていきます。今回は「奨学金 vs. 資産運用」について考えていきたいと思います。ただ、現在の暮らしが既にカツカツという方には少し危険を含んでいますので、以下のような方にお勧めの内容です。

  • 実家や家賃が安く日々の生活費が黒字の方
  • バイトの収入などが多く資金に少し余裕がある方
  • 奨学金を借りているが奨学金が使い切れない方
  • 奨学金を借りておらず生活もトントンの方
  • 学生時代からつみたてNISAを早めに始めたい方
スポンサーリンク

奨学金は超低金利で借りられる数少ない制度

以前の記事にて色々な奨学金をご紹介しましたが、今回は多くの学生が簡単な条件で借りる事が出来る「独立行政法人日本学生支援機構」の奨学金について考えてきます。皆さんが思い浮かぶ最も代表的な奨学金ですよね。

この日本学生支援機構の奨学金ですが、今の日本で最も簡単に借りる事ができ、なおかつ利率もかなり低く設定されている優良借金制度です。利率が低いのにはそれ相応の理由があり、大きな目的は学生に借金をさせる事ではなく、お金に苦しまずに社会に出て返済してほしいためだからです。

ようは銀行と違って利益目的で奨学金を貸していないきちんとした国の制度のため超低金利でお金を借りる事が出来るという事です。

しかも良い事にこの借りたお金というのは使用用途が決められていないのです。家賃に使ったり、PCを買ったり、パチンコに行っても何をしても、社会に出てきちんと返済すれば使い方は自由なのです。

そうすると、特にお金には困っていなくてもタダでお金を借りれるのなら借りて投資で増やそうという人も出てくると思います。つみたてNISAは早ければ早いほどいいのは事実なので、お金さえあれば学生時代から積み立てていきたいですよね。

25歳までの株式投資なら手数料が無料になる松井証券がお勧めです。もちろんつみたてNISAも出来ますので覗いてみてください。

奨学金を借りてまで投資をすべきか?」「将来の奨学金は繰り上げ返済すべきか?」などの出口戦略も含めて、凡才博士としての一つの指針を考えていきたいと思います。

スポンサーリンク

奨学金を借りるといくら投資に回せるのか?

今回は奨学金を借りてつみたてNISAを行い、奨学金を増やして利益を得るという方法をシミュレーションしてみましょう。まずは奨学金を借りる事で、いくらの投資の種銭を得る事が出来るか?という事です。

第1種奨学金の場合

第一種奨学金とはいわゆる利子が付かない最強の奨学金です。タダでお金を借りれるなんて、かなり太っ腹にもほどがあります。私の個人的な考えでは、借りれるのであれば必ず借りておきたい奨学金ですね。

(第一種奨学金には返済の免除制度もあります。)

日本学生支援機構のHPを見ますと、毎月借りる事が出来る額はその方の状況により多少の違いがあるようです。

第一種奨学金の貸与月額(出典:日本学生支援機構

利子が付かないので限度額いっぱいまで借りる方が良いかと思いますが、生活費に余裕がある方はつみたてNISAの毎月つみたて限度額である33,000円以上の金額が借りられると一番いいですね。

ここでは毎月4万円程借りると想定しましょう。年に直すと48万円/年のお金をタダで借りる事が出来ます。学部卒・修士卒・博士卒でずっと同じ額を借りるとすると、総額は以下のようになります。

  • 学部卒:192万
  • 修士卒:288万
  • 博士卒:432万

博士まで借り続けるとかなりの金額になりますね。これが奨学金の恐ろしい所でもあります。第2種奨学金であればこれに利子がついてきますから、やはり借りるなら第1種奨学金に限ります。

このように博士まで借り続けると、タダで432万円ものお金を将来の自分から借りる事が出来ます。これを借金と捉えるか、投資と捉えるかはご覧になっている方次第です。

毎月4万年を未来の自分からタダで借りる事によって、博士であれば9年も早くつみたてNISAが始められるという事です。この9年と数字はつみたてNISA期間の大体半分になっています。

私も博士からつみたてNISAを始めたのですが、もっと早いうちから始めてればよかったと後悔しています。第1種奨学金であれば余裕でつみたてNISA分のお金を工面する事が出来るという事です。

第二種奨学金の場合

こちらはいわゆる利子付きの奨学金ですね。学部生の場合は親の経済力が高い場合はこちらの第二種しか借りれないというかともいるかもしれません。

しかし、この第二種奨学金についても利子の分がかなり低いです。最新の利率を見てみましょう。

第二種奨学金の利率(出典:日本学生支援機構

利率を固定している場合で大体0.1~0.3%となっており、利率が変動する場合は驚異の0.003%となっています。私なら迷わず利率見直し方式を選びますね。

1万円借りても金利で増える分が一円にもなりません。ほぼタダで借りているような感覚ですね。

既に金利を見てお気づきの方もいるかもしれませんが、この超低金利こそ奨学金を借りてまでつみたてNISAを行う理由なのです。つみたてNISAの人気ファンドである米国株式は低くても年3%程のリターンがあります。

つまり、「つみたてNISAの利率3~5%>奨学金利息」という数式が成り立ってしまうのです。お金を借りる手数料より、増える速度の方が早くなっている訳です。奨学金を無駄に使わずに投資に回した方が増やして返せるという訳です。

第二種奨学金の毎月借りる事が出来る金額も人によって幅があります。

最高が12万ですで毎月4万程度であれば、まだ借りてない方になるかと思います。今回は第一種奨学金と条件を揃えるため、毎月4万円を借りる事にしましょう。

毎月4万円借りたとして、金利も固定金利としてある程度悪い方向で試算してみましょう。固定金利も大体の0.2%で試算してみます。計算すると博士まで奨学金を借りた際の総額は以下のようになります。

九年間奨学金を借りて、総額441万円となります。つまり利息分が9年間で10万円増える計算ですね。一年お金を借りると1万円増えるような感覚ですね。

このように金利が極端に低い場合はお金を借りていてもほとんど利息の分は増えていきません。これが、銀行から借りる利息3%とかですと雪だるま方式に利息の分が増えてしまいます。

第二種奨学金のを借りる場合でも、そこまで金利に困らずにお金を借りられることが分かります。つまり第1種奨学金を借りれない場合は第二種奨学金も十分選択肢になるという事です。

スポンサーリンク

つみたてNISAでどれだけ増えるのか?

それでは、毎月3万3千円の積み立てでいくら増えるのか見てみましょう。博士までの9年間を投資するとすると以下のようなシミュレーション結果になります。年利はかなり控えめの3%にしておきました。

これを見ると大学院を卒業するまでに52万円程の利益が出ている事が分かります。

第1種奨学金であれば、まるまる52万円の利益ですし、第二種奨学金であれば42万円の利益になる事が分かります。

つまり若い段階から奨学金を借りる事によって、つみたてNISAを始める事ができ、さらに奨学金分のお金よりももうけを出すことが出来るという事です。

卒業後にお金に困るようなことがあればつみたてNISA分を取り崩すことによって、奨学金の元本は返すことができますしね。現金で持っていて無駄に使ってしまうより、つみたてNISAの方が貯金効果もあるのでお勧めします。

9年間のリターンではこんなものですが、つみたてNISAを早く始めるというのが最も大きな利点になります。早く始めれば始めるほどリターンが大きくなるのがつみたてNISAです。つみたて終了までの20年間で見てみましょう。

あと半分のつみたてを行い20年間積み立てるとこのようになります。利益も約300万円程に膨れ上がっています。

早く始めれば始めるほど、この20年のゴールが早く近づくわけです。これが奨学金を借り手でもつみたてNISAを行う最も大きな理由になります。

つみたてNISAでほんとに増えるの?という方は、私自身も実際に投資していますので、ご参考になれば幸いです。

スポンサーリンク

既に奨学金を返済していく場合はどうすればいいのか?

今回ご覧になっている方の中には、既に奨学金を借りてしまって返済に追われているという方もいるかもしれません。そのような場合奨学金の出口戦略についてどうするか少し考えてみましょう。

奨学金を繰り上げ返済するか、つみたてNISAなどの投資に回すか迷う所ですよね。基本的には「奨学金の金利<投資のリターン」が成り立っていれば奨学金の返済を遅らせれば遅らせるほど含み益が出ます。

私であれば奨学金の利率が0.3%以下であるようなら、奨学金の返済は必要最小限にして(繰り上げ返済は行わないで)なるべく余裕が出来たお金は投資に回すようにします。

投資も米国全体のS&P500に連動するインデックスで着実に3%程の利回りで増やしていくような戦略を取るかと思います。

奨学金の出口戦略としては、金利が高ければ繰り上げ返済、金利が低ければなるべく返さないで投資に回すというのが最もコスパが良い方法でしょう。

ただ、返済は毎月やってきますので、くれぐれも返済できないほど投資にお金をつぎ込んではいけません。あくまで奨学金は返せる余裕があるけれど、あえて返さないで投資に回すスタンスです。

そうすると、特にお金には困っていなくてもタダでお金を借りれるのなら借りて投資で増やそうという人も出てくると思います。つみたてNISAは早ければ早いほどいいのは事実なので、お金さえあれば学生時代から積み立てていきたいですよね。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。何か皆さんの参考になれば幸いです。

25歳までの株式投資なら手数料が無料になる松井証券がお勧めです。もちろんつみたてNISAも出来ますので覗いてみてください。

SBI証券も人気の証券会社です。SBI証券では三井住友カードでのクレジットカードでつみたてNISAが出来ます。三井住友カードは私もメインカードとしてお勧めしております。

投資で増やす以外に様々な節約も同時に重要です。国民年金についても考えましたのでご参考になれば幸いです。

コメント

  1. Dのつく者 より:

    面白い内容の記事をありがとうございます。
    博士課程で役立つ情報を頂けて感謝しております。
    奨学金も合わせてつみたてNISAを早く始めたいと考えています。
    つみたてNISAを始めるにあたり、何か凡才博士のおすすめのファンドはありますでしょうか?
    参考にさせていただけると幸いです。
    どうぞよろしくお願いいたします。

    • 凡才博士 より:

      読んでいただきありがとうございます。
      年末年始は時間が取れるタイミングですので、じっくりと何に投資すべきか考えるのが一番いいと思います。
      私のお勧めは米国株式のインデックス投資をメインとしたものです。
      証券口座をどちらで作るかで取り扱いのファンドが変わってきますが、基本的には米国のインデックスに沿った投資が良いかと考えています。
      米国か全世界株か悩まれる方もいるかもしれませんが、つみたてNISAはファンドも途中で変更できますので、悩んでいたらとりあえず全世界で様子を見るのが良いかと思います。
      慣れてきたら米国株式のインデックスに切り替える戦法も落ち着いて投資できるかと思います。
      結局まとめますと、米国株式か全世界株式のインデックス投資をお薦めしてまして、その中でも信託手数料が最安の物(0.1%以下とか)を選べばまず間違いないかと思います。
      毎月3万弱の投資、ぜひ楽しんでコツコツ続けてみてください。

  2. ナカムラヒデノリ より:

    今年、娘が大学入学で早速奨学金を借りて投資を始めようと思います。

    質問
    使途の報告の義務はありますか?

    日本学生支援機構から借りる貸与型ですが、娘から使途の報告義務があると聞きました。
    ググっても、回答になるような検索結果がありませんでした。

    • 凡才博士 より:

      コメントありがとうございます。また、大学合格おめでとうございます。

      早速の回答ですが、日本学生支援機構の奨学金であれば使途の報告義務は無いかと思います。
      私も借りていましたが、何に使ったかというのは一度も報告しておりません。
      (他の財団等の奨学金であれば報告義務がある所もあります。)

      さらに、日本学生支援機構の奨学金は使う用途は特に限定されていませんので、別に何に使おうが本人の自由となっております。
      (口座もこちらから指定した口座に振り込まれますし、元々あったお金と何も区別できなくなります。)
      娘さんの食費や学費・家賃を娘さん自身の奨学金から出し、親の給料は投資に回せば理論上は奨学金は娘さんに有効に使われている事になります。

      奨学金で年間の投資額を増やすのは大賛成ですが、一つ注意点があります。
      今回のケースが当てはまるかどうか分かりませんが、娘さんが投資を始める事に同意をしていない場合です。
      奨学金の問題点は借りる本人の借金となる所です。
      審査には親の収入も関係ありますが、奨学金の入金とその負担は全て借りる本人にのしかかります。(特に卒業時に相場が悪かった場合は元本を割れる可能性もありますので、奨学金でも余剰資金という考え方が良いですね。)
      少なくとも親の独断で奨学金を借りさせて投資をさせるのは後々大きな火種を生むかもしれません。
      老婆心ながら、娘さんも奨学金を借りて家族全体の投資額を増やしていくというチームプレーが重要です。

      新NISAも始まりますので、やはり投資の種銭は色々な方法で増やしておきたいですね。
      また、何かありましたらお気軽にコメント頂ければと思います。

タイトルとURLをコピーしました