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【公募情報】意外と知らない?環境研究総合推進費について

研究費情報

こんにちは、凡才博士です。現在、科研費の若手を書いているのですが、既に落ちてしまった事を考えています。なるべく落ちないように重複して出せる物が無いかと探していますと、なかなか若手研究者に良い研究費の公募を見つけましたのでご紹介します。

科研費と全く同じネタで重複して出すことは出来ないのですが、別テーマの研究構想があれば若手にちょうどいい額で出せそうですので是非検討してみてください。ちなみに、せっかく見つけた私自身はこの公募に合う良いテーマが無いために応募は断念しようかと思います。(笑)

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環境研究総合推進費とは?

今回ご紹介する公募は「環境研究総合推進費」というものです。意外と聞いたことが無いという方もいるのではないでしょうか?まずは、この環境研究総合推進費という物自体を説明させて頂きます。

環境研究総合推進費をざっくり説明しますと、環境省が定めた環境に対する研究を幅広いテーマで支援してくれる研究になります。環境に対する研究領域は実際の所どのような物なのかと疑問になる方もいるかもしれません。そこら辺は公募説明資料が正確ですので、そこから抜粋してざっくり説明します。

応募する際に自分の研究がどの領域の研究に当てはまるか選ばないといけません。各領域の研究は上記のスライドに示したように5つの領域に分かれています。

  • 統合領域
  • 気候変動領域
  • 自然共生領域
  • 資源循環領域
  • 安全確保領域

簡単な説明が各領域でされていますが、もう少し詳細を説明しないと自分の考えている研究テーマがどの領域に当てはまるのかいまいちピンときませんね。具体的な研究例は次に示すようになっています。

まずは、重点課題というものがあり、この重点課題を元に研究テーマを当てはめるのが良いです。重点課題は環境省が推進したい課題という事ですので、この重点課題に当てはまらないような研究はかなり通りにくくなってしまう訳です。(重点課題は公募ごとに異なる可能性があります、こちらは過去の重点課題ですので、最新のものは公式HPをご確認ください。

右の研究例を見ますと自分の考えている研究テーマがどこに当てはまるのか少しイメージが出来ますね。また、過去の採択研究も公開されていますので、過去に採択された研究に似たものがあればその領域で応募するのが良いかと思われます。

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公募区分について

科研費もA,B,C,若手等々ありますように、こちらも主に研究費の総額によって区分が分かれています。令和5年の応募区分案は以下のようになっております。

意外と金額が大きい事にまずは驚かれると思います。その中でお勧めなのが「新規型研究開発(若手枠)」になります。(*5年度から若手枠に300万の枠も設けるようです。600万の枠と300万の枠のどちらかに出す事になると思いますが、300万の枠もあるのでさらに広く研究費が行き渡る事が予想できます。)

3年で600万ですので、規模感としては科研費の若手と非常に似ています。ただ、科研費とは異なり全員に0.7掛けして減額という事は本公募ではあまりないです。そう考えると若手より少し潤沢に研究費を貰えますね。若手を優遇してくれているというのはありがたい事です。この、金額と若手優遇という点が、この公募の気に入っている所です。(申請しなさそうなのですが…)

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公募スケジュール

続いて、この公募のスケジュールについてご紹介します。令和5年度のパンフレットに分かりやすくスケジュールが載っていました。

公募開始が9月~10月でその後に書面と面接審査がありますね。科研費の〆切といい感じにずれてくれています。両方出す方は8月・9月・10月と申請書に苦しめられる訳です。また、こちらは科研費とは異なりe-Radでの登録となりますのでご注意ください。

審査の結果については1次と2次で別々に連絡がくるみたいですので、落ちているようなら1次の時点で分かるのがまだ良心的です。2次審査は2月ですので科研費と合わさればドキドキの2月になりますね。

また、上記のスケジュールとは別にですが、公募説明会も毎年開催されています。令和5年度は以下のように開催されています。第1回は制度の内容等について詳細に説明があります。第2回は公募開始直後の説明会ですので、こちらに参加すれば問題ないかと思います。

特に重要なのは行政要請研究テーマ(行政ニーズ)について説明があります。この行政要請研究テーマに自分の研究構想が当てはまっているかどうかが、この公募の重要ポイントととなります。重点テーマに当てはまっているのは必須では無いですが、当てはまっているテーマが優遇されるのは間違いないです。この行政ニーズを確認してから応募するかどうか考えた方が良いですね。

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採択率は?

気になる採択率についてですが、まずは若手枠の採択率は以下のスライドのような形です。公募説明会のスライドをそのまま引用しております。これを見ますと、毎年15~14テーマが採択されていまして、採択率としては25~30%程度になっていますね。

採択される課題数が少ないのが気になる所ですが、採択率としては割と高めですね。科研費の若手と比較するとちょっと低いですが、研究テーマがある程度絞られているため少し科研費とは性質がことなるのですね。

あまり知られていない制度のため、研究テーマがばっちり合っていたらまぁまぁねらい目ですかね。若手の要件としては博士取得後8年未満との事ですので、こちらも優遇されていますね。若さこそが強さという事でしょうか。

ちなみに公募全体の応募・採択状況については以下に示すようになっています。制度全体でみると採択率は20%行かないぐらいになっていますね。やはり若手の肩書を外すと外部資金獲得に苦労しますね。(貰える金額は大きくなりますが。)

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本公募の研究体制

最後にこの公募の研究体制についてご紹介します。科研費の研究体制はご存知でしょうか?科研費は文科省が学振にお金を出して各研究者に研究費を配っています。有名なNEDOはどこが大本かご存知ですかね?NEDOは経産省が大本でお金を出しています。科研費やNEDOは財団のような助成金ではなく、我々の税金が研究費になっている訳です。

それではこの環境研究総合推進費に大本はどこかと言いますと、「環境省」です。あんまり有名ではないので変な公募かと思うかともいるかもしれないですが、ご安心ください。こちらは環境省が管轄の研究費となっています。全体の仕組みは以下の通りですね。

見て分かりますように、環境再生保全機構(ERCA)が環境省からお金を貰って我々研究者に配っています。科研費で言うと学振が今回の環境再生保全機構という事になります。ERCAも正直あまり聞いたことが無いので、ピンとこない方も多いかもしれません。

またHPもNEDOや科研費は公募情報にあふれかえっているのですが、ERCAは研究費だけがお仕事ではなくアスベストや環境に関する啓発活動を行っています。そのため、公募のページ自体が少し見つけにくいHPになっています。

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終わりに

今回は皆さんが知らなそうな「環境研究総合推進費」についてご紹介しました。すごいちゃんとした公募なのに初めて聞いた方もいたのではないのでしょうか?科研費と時期が丸被りなので、テーマが2つ無いと難しそうですね。しかもこちらの公募はある程度テーマが絞られているので、出すかどうかはよく考えないといけないですね。

今回は結構早めに情報共有をしましたので、まだ第2回の公募説明会に間に合うかと思います。(説明会終了後にこのページにたどり着いた方は申し訳ございません。)私自身は重点テーマにかなりマッチしていたら若手で出してみようかと思います。

今後も若手研究者向けの公募についてはご紹介させて頂きます。(私が出せる研究費探しがメインとなってしまいますが。)本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。何か皆さんの参考になれば幸いです。

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