こんにちは、凡才博士です。科研費の申請書を書きたいところですが、中々手が進みません。前回の記事では、以下のように学振の勤労学生控除の手続きについて解説させて頂きました。その記事の最後に「5000円程の税金の請求」と記載しましたが、これについてもう少し詳しく説明しようかと思います。せっかく勤労学生控除の手続きをしても何故か住んでいる町から税金を払えとお知らせが来た方・請求書に「均等割」と謎の請求をされている方の参考になれば幸いです。
勤労学生控除を使って税金対策をしたのになぜ請求されるのか?
正直、私も税金の請求が来た際には困惑しておりました。「なぜ勤労学生控除控除を使って税金がゼロになったのに請求が来るのか?」「確定申告の画面では納める税額は0円と表示されたじゃないか」こんな疑問を持っていました。しかしこのように迷える博士学生に手を差し伸べる言葉があるとしたら、「所得税は国税であり、住民税は地方税で納める先が違うのです!」そう、税額が別に計算されるため、所得税がゼロだから住民税がゼロだとは限らないという事です。これを知らないため、いきなり請求が来ると、何かの間違いか?と町に問い合わせたくなりますよね。次に所得税と住民税の違いを簡単におさらいしていきましょう。
所得税と住民税の違いとは?
所得税と住民税は、両方とも1年間の所得に対してかかる税金でして、勤労学生控除をした方は所得に応じて税金の額が異なる事はご存知かと思います。所得税と住民税の違いの1つは、上記にも記載したように税金の納付先が違います。所得税は国に納める「国税」でして主に給料から天引きされたり確定申告で支払わなければいけなかったりしますよね。一方、住民税は地方に納める「地方税」ですので、納める先は国ではなく、現在住んでいる町に納めます。町に納める訳ですから、所得税と違い自分の住んでいる町の税金に貢献している感じがしますよね。(笑)もちろん我々のような貧乏博士学生から搾り取れる税金など僅かな物ですので、もし貢献しているとしたら学校のチョーク一本分くらいですかね。それはさておき、所得税と住民税で納める先が違うため、納めなければいけない税額も別々に計算され別々に徴収しているという訳です。所得税の速算表は以下のように国税庁のHPに乗っていますので、気になる方はご確認ください。
2つ目の違いは、納税時期についてです。所得税は、その年の1月から12月までの所得で計算されます。よって1年間の正確な所得が分からないと所得額を決定する事は出来ません。学振の場合(一般的な会社でもそうですが)、所得税を始めに概算で見積もっており、毎月の給与から天引きで概算の金額を除いた分が振り込まれているかと思います。給料が20万と聞いていたのに、通帳をみると19万何千円と記載があってちょっとがっかりですよね。しかし所得税は概算で見積もられているので、12月の年末調整にて取り過ぎていた税金が返ってくることによって見かけの金額が増えるというからくりになっています。さらに我々貧乏博士学生は国民健康だったり国民年金だったり勤労学生控除が使えたりするので、最終的な1年間の所得を確定申告するわけですね。これをする事で取られ過ぎていた税金が戻ってくる場合が多くあるという事です。なので確定申告をした場合、所得税は既に納めてしまったのと同じような事になります。
一方、住民税は前年の所得をもとにして住民税の額が決定されています。住民税決定通知書は大体6月ごろに交付されるかと思います。恐らく学振を貰う前のニート状態の大学院生も町から住民税の調査みたいな手紙が年に1回来て、恥ずかしながら学生の欄にチェックを入れていたかと思います。大体このような収入のない大学院生の場合は、住民税の納付が自動的に免除になっているかと思います。しかし勤労学生控除をした学生の場合には既に、親の扶養から外れている場合がほとんどかと思いますので、住民税の魔の手がかかります。(扶養を外れないようにバイトは103万までとか、言われた事もあるのでないでしょうか?)学生の場合は流石に給料が103万を超えてしまいますので扶養から外れた状態で、勤労学生控除を申請することになります。
住民税の均等割とは何か?
住民税は以下示すように、定額で課税される「均等割」と所得に応じて課税される「所得割」に分けられ、その額を合算した物が最終的な住民税となります。
住民税=(均等割)+(所得割)
この中で「所得割」は勤労学生控除等を申請すると税金を下げる事が出来ますね。つまりは所得に応じて税金がかかるので、貧乏博士学生はそこまで取られないという事です。勤労学生控除をうまく使うと、この「所得割」の分は所得税と同じようにゼロ円にできます。しかし「均等割」については、所得とは関係なく住んでいる場所によって全員に均等にかかる金額ですので、ある程度収入がある方は免除にならないのが現実という事です。
均等割は住んでいる場所によって多少の金額の違いがあると思いますが、大体5,000~5,500円くらいだと思います。なので勤労学生控除を申請したとしても、5千円ほど住民税は掛かるのは仕方ないという事になります。むしろ5千円ほどでラッキーととらえる方が気持ち的にもいいかもしれません。
凡才博士も学生時代は良くわかりませんでしたが、社会人1年目より2年目の方が給料が低くなるといった話を聞いた方も多いのではないでしょうか?実際のところは給料が低くなったのではなく、2年目から住民税が引かれるようになったというのが正しいです。上記で説明したように、住民税前年の所得で決定し、次の年に住民税が取られます。そのため社会人1年目は住民税の計算が学生基準だったため、1年目の住民税額はゼロ円に等しいかと思います。しかし社会人2年目は1年目の給料で住民税が計算されるため、毎月万単位で住民税が給料から天引きされていきます。これが住民税の罠なのです。
実は、私が住んでいる町役場の方に、この「均等割」は何なのか?と問い合わせたことがあります。町の人曰く、住民全員にかかる税金との事でした。その際はいまいち理解できなかったので、さらに聞いた所、この税金は町のごみ収集とか道路の整備とか図書館とか公共施設に使われるとの事でした。これを聞いて博士はようやく納得しました。確かにごみ収集代と考えれば、年間5000円払う代わりにごみを持って行ってもらえるとすれば安いものです。皆さんも、勤労学生控除をしたのにどうして税金を取られるんだ!と怒らずに、ごみ収集代だと考えて住民税の納付を行って下さい。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。何か皆さんの参考なれば幸いです。
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