こんにちは、凡才博士です。今回は学振やJST等で学生なのに扶養を外れてしまった際の、国民健康保険についてお話します。
学振や学振に関するお金の記事については、以前の記事にまとめておりますので、今回は国民健康だけお話します。
今回の内容をざっくりまとめるとこんな感じです。
- 給料によって親の扶養から外れる場合は国民健康保険料を払う
- 国民健康保険は自分で市役所に行って手続きする
- そのあとは普通の保険証と同様に使える
- 町の健康診断の案内が来たら受けよう!
それでは、以下に詳しく説明していきます。
国民健康保険と社会保険とは?
まずは、基本からおさらいです。保険証には大体2種類あって「国民健康保険」と「社会保険」があります。生まれてからずっと親の扶養で生きてきた大学院生は国民健康保険が分からない方もいるのではないでしょうか?
ざっくりと一般的に説明しますと、親が会社員の場合は社会保険の扶養で親が自営業等の場合は国民健康保険です。(どうでもいいですが、親が学振がJSTから給料をもらっている場合は、その子供は国民健康保険の扶養になります。)
保険証も国民健康保険(一般的に「国保」と呼ばれています)と社会保険(一般的に「社保」と呼ばれています)では大きな違いがあります。具体的には以下の画像のような感じです。
扶養から外れたことが無い方は、左の青いプラスチックカードの社保をお持ちではないでしょうか?社保のカードはしっかりしており、基本的に水色の高級感があるプラスチックのカードです。保険証の更新もありませんので、無くさないように大切に使います。
一方、国保の保険証のカードは悲しくなるほど安っぽいです。右の画像が国保なのですが、ペラペラの紙でできています。印刷面はツルツルしていますが、まだ遊戯王カードのレアカードの方が高級感があります。これが、また国保に切り替わって悲しくなるポイントです。初めて来たときは「これが保険証?」と疑問に思うほどテープな作りです。しかし国保は毎年更新されますので、汚しても次の年度には新しいものになります。ここは唯一いい点です。(笑)
肝心な保険内容ですが、国保でも社保でも変わりはありません。全国どこの病院でも保険適用の支払いで済みます。実質的に異なるのは、このカードだけという事です。もちろん、保険料の支払いは変わってきます。これまでは親の扶養に入っていたので、実質的に親が保険料を支払っていました。しかし扶養を外れた場合は、自分で自分の健康保険料を町に支払わねばなりません。
扶養を抜けた方が損か・得かはよく考えて決断しましょう。ただ、学振やJSTから貰える給料ですと、半ば強制的に扶養から外れる事になるかと思います。節税方法であれば代表的なのは以下のようなものがありますが、扶養が外れる問題は給料をもらっている場合は避けようがありません。諦めて国民健康保険を活用しましょう。
国民健康保険への加入について
国民健康保険への移行は、まず親の扶養から外れて、その後国保へ移行します。書類さえ手に入れば結構スムーズに進みます。
社保の資格喪失
まずは、親の扶養から外れる予定がある場合はあらかじめ親に言っておきましょう。扶養に入っている場合は健康保険資格喪失証明書(家族の健康保険の扶養からはずれた証明書)が必要になります。
この証明書の発行は親に伝えて会社で手続きを行ってもらいましょう。もし、会社側から「扶養を外れても収入がある証明」を求められたら内定した時に貰える「特別研究員審査結果通知書」を提出すればオッケーです。4月1日に切り替えられるようにしないと、色々手続きが面倒になりますので、年度の変更と共に国保に移行できるように早めに動きましょう。
親の職場によっては、職場に健康保険資格喪失証明書の書式がない場合があります。そのような場合は住んでいる町のHPに健康保険喪失連絡票がありますので、そちらを会社に記載してもらいましょう。
上記の手続きを行う事で「健康保険資格喪失証明書」が手に入れられるはずです。これを手に入れたら、加入資格が切れる日(人によると思いますが、4月1日)に次の国保に加入する手続きを行いましょう。
国保への加入
どこの市役所でもそうなのですが、国保への変更手続きは扶養から外れた日以降、14日以内に行ってください。(恐らくこの期間を過ぎても大きな問題は無いのですが、病院へ行かないといけない事態が発生した際に非常にめんどくさいことになるので、14日以内は守りましょう。)
手続きは市役所で行いますので、以下の必要な物を持って市役所で手続きするだけです。
- 届出人の本人確認できるもの(マイナンバーカード・運転免許証・年金手帳等)
- 健康保険資格喪失証明書 (家族の健康保険の扶養からはずれた証明書)
特に手続きで問題が無ければ、ペラペラの国保をその場で発行してもらえます。ただ、国保は国保で保険料を支払わないといけませんので、結構な金額になりますので後に銀行振り込みするかその場で払うかする必要があるかと思います。特に問題なければ後に銀行振り込みとしましょう。
また、国民年金についても変更になるかと思いますが、ここは市役所の指示に従うといいでしょう。年金手帳や番号が分かると、なおスムーズに手続きが出来るでしょう。
扶養を外れて国保になる時の注意点
一番の注意点は社保と国保の両方とも入っていない期間をなるべく短くする事です。市役所はだいたい14日以内に変更と書いてあると思いますが、出来れば3日以内くらいに行いたいです。その理由としては、何か緊急で病院に行った場合非常に面倒だからです。
扶養を抜けた社保の保険証は期限切れで使えません。(3月31日で扶養から外れているはずなので、病院の目が厳しければ使えません。)そして、新しい国保の保険証が無いので受けられる社会保険がありません。このような場合、病院でかかったお金を一度全て(10割負担で)自分が支払わねばなりません。
その後領収書などの書類を元に、国保で手続きをして3割負担にキャッシュバックしてもらうといった手続きをしないとならないのです。そのため、保険証が無い場合に病院を受診するというのはかなりめんどくさいです。(病院によっては断られる事すらあるかもしれません。)なので、保険証切り替えの手続きは、病院にかかる事が起きる前に早めに行いましょう。(最終困ったら10割負担で一度支払うしかないですが、仕方がないですね。)
町の健康診断へ行こう!
国保の保険料は我々のお財布に重くのしかかっています。病院に行けばこれまでの社保と同じく3割負担で変わりません。基本的に若い時の保険証の役割は、病院代を3割にするくらいです。
しかし、国保は少しだけお得なサービスがあります。それが、「町の集団健康診断」です。年に一度住んでいる町から健康診断のお知らせが来るかと思います。この健康診断は無料で受診できるので、自身の健康チェック+国保の保険料を少しでも取り戻すという意味で受けておきましょう。
まだ若いうちは無料で受けられる項目が少なく、大学の健康診断と変わりませんが、無料で受けれるなら受けておきましょう。あと、行くと結構おじいちゃん・おばちゃんしかいないので(社保はこの健康診断の制度が無いからです。)いい社会勉強になります。
大学で特定薬品?やX線を利用していると特殊健診として定期的な血液検査が入るかと思います。これらをお使いでない方は、年に1回(大学の健康診断と合わせれば2回)の体のメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、私はしっかり行ってました。若い人がいないので結構浮きますが、若いだけでチヤホヤされます。ちゃんとした人間ドックは社会人になって、会社の補助を出してもらいないがら行くようにしましょう(笑)
本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。何か皆さんの参考になれば幸いです。
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