こんにちは、凡才博士です。今回は博士課程と就活について基本から紹介していきたいと思います。私自身は12月より前に就職活動を開始していたので、色々な選択肢がありました。やはり博士課程の方は就活への意識が低いため、気づいたときには時すでに遅しという場面が多くあります。そのためまだ就活は考えていないという方も、博士課程の就活時期について少しだけ目を通しておくことをお勧めいたします。
一般人の就活スケジュール
学部生及び修士の学生は新卒の扱いになり、経団連の就活スケジュールに基本的には従わないといけないというルールになっております。既に学部時代や修士時代に就活した方はご存知かもしれませんが、一般の新卒スケジュールは以下のようになっています。(*外資系や経団連に従わない企業はこのスケジュールから外れている場合もあります。気になった企業の就活スケジュールは事前に把握しておきましょう。)
この図から分かるように、学部生であれば本格的な就活は3月から始まり、夏休みころからうだうだと就活の事を考え始めます。3月までには企業研究やSPI対策・面接対策を行い、3月頭に全員が同じスタートラインで企業にエントリーを行います。(インターン等で既にアピールしている方は、3月の就活開始と共に、内々で囲い込まれて就活を終える学生もいます。)
博士課程の就活スケジュール
博士課程の場合、就活スケジュールは大体上記のようになります。まず大前提として、残念ながら博士課程は新卒採用ではありません。そのため、経団連の就活スケジュールとは関係なく就活が始まります。特に博士課程を採用できるほどの体力がある企業のみ博士課程専用の選考を用意してくれている場合が多いです。
博士課程の就活メリットとしては、博士早期選考ルートと新卒採用ルートの2回就活を行うチャンスがある事です。これにより、新卒採用の3月スタートで1回だけのチャンスに比べ、時間的に余裕もあり企業の面接を志望度順に分ける事が出来ます。また博士早期選考に取り組むことによってSPIや面接も確実に慣れてきますので、3月の新卒ルートでは現場で鍛えられた雰囲気というものが自然とあふれ出し、意外と印象良く内定を貰う場合も少なくないです。
最大のメリットとしては、博士早期選考ルートは博士しかおらず倍率が低いという点です。3月の新卒採用に混じって就活に参加するのは中々気持ち的にも辛いものがあります。さらに結構ふるいにかけられてしまうので、3月の新卒ルートで博士の方が有利という事はありません。むしろ博士早期選考ルートは博士だけのための選考でして、企業も博士を取りたいと感じてこのルートを作っています。特に世の中そんなに博士は多くありませんから、エントリーしたらじっくりと選んでくれます。また3月の新卒ルートでは会社説明会を取るのがやっとですが、博士早期選考ルートは説明会も母体となる人数が少ないので簡単に予約できます。私が応募した大手企業なんて博士早期選考ルートの説明会は5人しか集まりませんでした、、(顔は覚えられたのですが結局お祈りされました、、、)
博士早期選考ルートとは?
博士の新卒だけに与えられる特権である、博士早期選考ルートについて解説します。こちらは結構大企業の研究職を採用する場合に多いルートです。私は化学系なので、実際に早期選考ルートがあった企業を紹介させて頂きますと、次のような大企業は博士早期選考ルートを行っている実績があります。
[武田製薬・アステラス製薬・塩野義製薬等の大手製薬会社、Panasonic・旭化成・三井化学・昭和電工・積水化学・東レ等の大手化学メーカー]等々とりあえず大手の企業で研究職を採用したい所は大体博士早期選考ルートが存在します。しかも厄介なことに、早期選考ルート情報は新卒を対象としたリクナビ・マイナビ等には一切載っていません。ホントにこっそりと行われており、私も就活を意識し始める冬には既に博士早期選考ルートは募集終了してしまった企業も多くありました。
そこでこの博士早期選考ルートに乗り遅れないためにも、凡才博士はD2の10月には既に行動を起こし始めた方が絶対に良いと考えています。特に製薬会社に関しては驚くほど速く10月には早期選考ルートを開始している企業も既にあるくらいです。そのため、理想を言えばSPIの試験対策は夏から始めていたい所です。
博士早期選考ルートの探し方について
博士早期選考ルートはリクナビ・マイナビに載らないとお伝えしましたが、「じゃあどうやって探せばいいんだ?」と疑問に思う方もいるかもしれません。答えとしては残念な答えになってしまうのですが、「自分の足で探すしかありません」。リクナビ・マイナビではサイト上でエントリーするだけですが、博士早期選考ルートが存在する大手企業は自分たちオリジナルのかっこいい採用サイトを持っている事が多いです。(エントリーした後は大体似たようなサイトです。)
その採用サイトに冬頃からある日突然「博士早期選考を開始しました」等のお知らせが出てきます。これを見逃さないようにしなければいけません。そのため、定期的に気になっている企業の採用HP等をチェックせねばなりません。ただし、手当たり次第に博士早期選考ルートにエントリーするのは大変な作業ですので、以下のように志望企業を選ぶのをお勧めします。
①自分の専門性に関係する働いてみたい大手企業をいくつかリストアップ
まずは働いてみたい大手企業を思いつくままに出してみましょう。博士早期選考ルートがあるかどうかはまた後で調べればいい事ですので、とりあえず大手で行きたいところがあれば5つほど企業の候補を上げてみましょう。この際には「自分の専門性が活かせる企業か?」と考える事が重要です。
正直、博士早期選考を設けているという事は、すぐに活躍できる研究職を求めている事に他なりません。新卒採用と違い、博士早期選考ルートの場合は配属先等はほとんど決められています。博士を取ったにも関わらず研究もさせずに受付として置いておくといった事はあり得ません。逆に言うと専門性とかなりかけ離れた企業に博士早期選考として応募する場合は、かなり高い確率で落とされます。そのため、自分のやりたい事・専門性・大手度合い等を天秤にかけてまずはリストアップした企業で志望度順にランキングを付けていきましょう。
②志望度の高い企業から博士早期選考があるのかを調査
博士早期選考は毎年行われていますので、大体検索をかければネットに早期選考情報は載っています。丁寧な企業ですと採用サイトに「〇月×日から博士早期選考開始予定」と丁寧に記載してくれいている所もあります。まずは調べてみて、「博士早期選考ルートが存在するのか?」・「早期選考は何日からスタートするのか?」、情報収集を行いましょう。
もし希望している企業で博士早期選考を行っているようでしたら、そこに標準を合わせて行動していきましょう!博士早期選考ルートが無い場合は博士早期選考ルートがある他の企業を受けつつ、3月の新卒ルートになるまで待ちましょう。決して第一希望の企業を狙い撃ちするのではなく、いくつか実際に就活を始めてみるのを強くお勧めします。特に博士早期選考ルートでもやる事は同じですので、経験値を貯める+内定を早めに得て精神安定剤とするために早期選考に参加すべきかと思います。
博士は新卒ではありません、面談が苦手な方が多いので、とりあえず無料で面談に慣れるのはどうでしょうか?下記バナーは理系の就活をサポートしており、無料で登録できるのでまずは就活の最初の一歩として社会人との面談をお勧めします!
博士早期選考の内容とは?
博士早期選考ルートがある事は分かりましたが、何をしたらいいのか分からない方もいるかと思います。私自身5社くらいの博士早期選考ルートで就職活動を行いましたが、ほとんど全ての流れは同じです。以下に大まかな流れを示します。
- 企業の採用サイトより博士早期選考にまずはエントリーする
- エントリーシートをWeb上で記載+研究概要(大体A41枚か2枚)をWebにアップ
- (上記と並行であれば会社説明会に申し込む。説明会がマストの企業もあり)
- Webテスト=SPI(玉手箱等)を受ける
- 書類選考に通ったら1次面接を受ける
- 2次面接・最終面接を受けて合格すると内々定の通知が来る(教授の推薦書を求められる場合あり)
上記の流れは、3月の新卒ルートとほぼ同様となっておりますので、博士早期選考にてエントリーシートや研究概要をまとめて磨き上げる事が出来ます。また面接までこぎつければ実戦での面接練習となるのでお勧めです。
SPI(Webテスト)ですが、博士早期選考ルートはWebでテストを行う所が圧倒的に多いです。そのため早期選考ルートに乗るためには、エントリー開始時点である程度SPIを極めておく必要があります。
特に博士早期選考の特徴としては、エントリーシートの内容・Webテストの結果・研究概要を総合判断して書類審査を行い、その後面接に呼ばれる場合がかなり多いです。またエントリーシート・Webテスト・研究概要の〆切は全て同じ日に設定されておりますので、一気に3つの事に集中しなければなりません。そのため研究の合間を縫って就活を行うのは大変ですが、博士まで行って仕事が無い状態では困りますので、就活にも意識を向けるようにしましょう。
大学院専用の就活サイトの一つとして、凡才博士は「アカリク」を利用しました。修士・博士・ポスドクによってサービスが分かれていますので、自分に合った所を見つけるのがお勧めです。特に就活にやる気が出ないとか、自己分析が分からんという場合はエージェントに手伝ってもらう方が良いかもしれません。エージェントも無料で使えますので、こちらも利用して就活・転職のハードルを下げるのが良いでしょう!
・アカリクの登録サイトです。院卒研究者専門ですので登録して研究職の求人が見れます。もちろん無料です。
・こちらは求人情報だけでなくエージェントに就活を手伝ってほしいという方にお勧めです。自分一人では就活が心配な方にお勧めです。理系専門のエージェントと面談も出来ますので、自己分析等の就活に必要な資料をブラッシュアップしてもらいましょう。
・こちらは就活より転職向けの転職エージェントです。博士は新卒ではないので、転職として就活をすることもできます。企業の求人案件が多いので、アカデミック以外を目指している方にはお勧めです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。ここまでお読みになっているという事は就活について意識し始めているのではないのでしょうか?博士調べですが100人中100人が就活中は時間が無いと発狂しておりますので、早く始めれは長い就活も走り切る事が出来ますので、メンタル的につらい時が来るかもしれませんが将来を信じて頑張ってください。何か皆さんの参考になれば幸いです。
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